心の健康状態は、自分では気付けないケースが多いです。
ストレスなどが原因となって無意識のうちに自分自身をコントロールできなくなってしまう状態…。それこそがまさに「メンタルヘルス不調」と言えます。
メンタルヘルス不調に大切なことは、「正しい理解」と「正しい対処」です。
無知だったゆえに誤った対処方法を取った事によって、更に心にダメージを与えてしまい、余計に悪化させてしまう…なんて事は残念ながら非常によくある事なんです。
そうならないためにも、「正しい理解」と「正しい対処」。
そして、必要があれば専門医に見てもらうことが重要です。
厚生労働省は、国民の健康保持を目的に、広く継続的な医療を提供すべき疾病として、「がん」「脳卒中」「急性心筋梗塞」「糖尿病」の4種類の疾患を掲げていましたが、2011年に新たに「精神疾患」を加えて5疾病とし、対策に力を入れています。
代表的な5つの疾患について解説します。
①うつ病
【症状】
気分の落ち込み、イライラする、楽しめないといった感情が大きくなる抑うつ状態が続くほか、不眠や集中力の欠如などの症状があります。
こういった精神的な症状だけではなく、めまいや頭痛、肩こり、動悸、食欲減退といった身体的な症状もあり、こういった症状が2週間以上続く場合は要注意です。
【原因】
特定の原因によって発症するというよりは、複数の要因が積み重なって発症するといわれています。環境、性格、遺伝など…さまざまな要因が考えられます。
【主な治療方法】
症状や発症要因によって異なりますが、一般的には休養、薬物療法、精神療法を組み合わせて治療を進める場合が多いです。
②パニック障害・不安障害
【症状】
パニック障害は不安障害の一つで、突然不安な気持ちが抑えきれなくなります。
めまいや動悸、発汗や呼吸困難が起こったり、強い不安や倦怠感を感じたりします。
パニック障害は、予期せずこのような発作が起こるため、「また発作が起こるのでは…」という不安によって一層精神的に不安定になってしまう事も良くあります。
【原因】
はっきりとは解明されていませんが、脳機能異常やストレスなどの心理的要因や環境も関わっているとされています。
【主な治療方法】
薬物療法が主ですが、精神療法も並行して行われます。 再発の可能性がある疾患という事もあり、症状が改善してもしばらくは薬を飲み続けて様子を見る患者さんも多いです。
③適応障害
【症状】
抑うつ気分や不安感、怒り、神経過敏、めまいや発汗等が身体的に出てしまうと同時に、無断欠勤や危険運転等、行動面における症状も見られることがあります。
精神的な症状が似ているためうつ病と間違われやすいですが、適応障害は原因から遠ざかることで症状が落ち着くと言われています。
【原因】
生活や環境の変化、特定の出来事をストレスに感じることで発症します。
【主な治療方法】
ストレスの原因となっている状況や出来事から離れることが、一番の治療方法です。
④睡眠障害
【症状】
不眠だけではなく、日中の眠気、睡眠中の病的な行動など、睡眠に関わる病気の総称です。寝つきが悪い、睡眠に関する問題が1カ月以上続くときは睡眠障害の可能性がありますが、睡眠障害が続くと、身体的な健康を損なってしまったり、結果的に別の精神疾患につながったりする恐れがあります。
【原因】
生活習慣や精神疾患など原因はさまざまです。いくつかの要因が絡んでいる場合もあります。
【主な治療方法】
症状によって異なるので、専門医による診察や検査が必要です。
軽度な不眠であれば、運動や生活習慣の改善で効果が見られるケースもあります。
⑤依存症
【症状】
アルコール依存症や薬物依存症等代表される疾患です。
特定の物や行為を強く求めます。依存している物や行為を止められなくなり、自分の行動をコントロールできなくなるので、日常生活に支障が出るようになります。
【原因】
依存している物を摂取したり依存している行為を行ったりすると、快感や喜びを感じられます。それを繰り返していると、得られる快感や喜びの程度が低くなるため、依存している物などをより多く求めるようになり、依存が止められない悪循環に陥ると言われています。
【主な治療方法】
本人の意志だけでは治療は難しいため、専門機関による入院治療や共同生活などによって、依存心を克服します。依存症は、なるべく早く治療を始めることが肝心です。
いかがでしたか？主な精神疾患はこのような形になりますが、精神疾患に合わせた対策・治療が非常に重要になります。
また、精神疾患とメンタルヘルス不調との境目という部分でも、私たちには絶対に判断できない部分ですので、自己判断せずにきちんと専門医に見てもらう事も非常に重要となっています。
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